天草遍路の8組の区分


四国霊場は「お願いの遍路」で、88ヶ所霊場に「納め札」にお願い事を書いて巡ります。
これに対して天草霊場は「感謝の遍路」といわれ、一霊場ごとのご本尊に感謝の祈りを捧げながら巡ります。
また、天草八十八ヶ所霊場は、地域ごとに8つの組に分かれています。1つの組が11ヶ寺でまとまっていて、8組全体で88ヶ寺となります。
以下が天草88ヶ所霊場全体の組み分け地図です。

そして、組ごとの地域と、感謝行のお題目が以下になります。

方面お題目
1組本渡・五和方面暮しに感謝
2組上島北海岸方面人様に感謝
3組上島南海岸方面天地に感謝
4組上天草方面生類に感謝
5組苓北方面命に感謝
6組下島西海岸方面恩人に感謝
7組下島東海岸方面親に感謝
8組牛深方面人生に感謝

1組 暮らしに感謝

当り前に水道から水が出ること、当り前にスイッチを押すと電気が点くこと、ガスが点火すること、これはとても有難いことです。
災害が起こると、断水、停電、ガスが途絶えて、普通の当り前の暮しがどれほど大切なのかを実感します。
 1組の巡礼は当り前の「暮しに感謝」することがテーマです。

2組 人様に感謝

 毎日快適に生活できる陰には、多くの人たちの働きがあります。 一膳の食事にも、作物を作った人、食器を作った人、それを運んだ人、お店で販売した人たちの労苦があります。
 もし、その人たちが居なかったら自分でその労苦をすべて負うことになります。
 2組の巡礼は陰で働く「人様に感謝」することがテーマです。

3組 天地に感謝

 天空に浮かぶお日様とお月さまのお働きのお陰で、春夏秋冬、季節は巡ります。
 晴れた日、風の日、曇る日、雨の日、雪の日、すべては大地の上に生かして頂いている生物を育むご守護です。
 あまりに大きすぎて気づかない天地の恵みです。
 3組の巡礼は「天地に感謝」することがテーマです。

4組 生類に感謝

 私たちは、毎日生き物の命を食して生きています。
 人は、植物と動物の命からしか食を得ることはできません。
 現在は様々な加工品が溢れていますが、元をただせばすべて命ある生き物でした。
 食事をする時に、手を合わせるのは、命を頂くからです。
 4組の巡礼は「生類に感謝」することがテーマです。

5組 命に感謝

目が見える、耳が聞こえる、鼻が利く、口が効ける、胃腸が消化する、肺が呼吸する、心臓が働く、その他人体の精妙な働きはすべて親から頂いた遺伝子による働きです。
 寝てる間も人体の生命活動が営まれていることは奇跡です。その働きが止まった時が死です。
 5組の巡礼は「命に感謝」することがテーマです。

6組 恩人に感謝

 何も知らない子供の頃から、勉学を学び、人の道を学び、社会人として自立して生きるまでには、多くの人たちの教え、導きがありました。
 中でも、人生の一大事の局面で、良い方に導いて頂いた方は、人生の恩人で、現在の自分があるのもその方のお陰です。
 6組の巡礼は「恩人に感謝」することがテーマです。

7組 親に感謝

 自分がこの世に生かして頂いているのは、なんと言っても親のお陰です。
 「山より高く海より深い親のご恩」は、決して忘れてはならない人の道です。
 親には、それぞれ親があり、累代さかのぼると、実に多くのご先祖様がおられます。
 7組の巡礼は「親に感謝」することがテーマです。

8組 人生に感謝

 母の胎内から生まれ出て、寿命を全うして息の根が切れるまで、私たちはこの世で生かして頂いています。
 世の中には、生きようとしても生きられない人たちがたくさんいます。
 この世で、人として生きれるのは奇跡であり、幸福です。
 8組の巡礼は「人生に感謝」することがテーマです。


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